まず、指針の確認
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/shishin_tebiki.pdf
■例:新分野展開について
●「新分野展開」とは主たる業種又は主たる事業を「変更することなく」、新たな製品等を製造等し、新たな市場に進出すること。
●「新分野展開」に該当するためには「製品等の新規性要件」、「市場の新規性要件」、「売上高10%要件」の3つを満たす必要がある。
★重要ポイント★
1.製品等の新規性
①過去に製造等した実績がない。
2.市場の新規性
①製造等に用いる主要な設備を変更する。
★代替性が低いこと。
★相乗効果が得られる根拠を示すこと。
3.売上高10%要件
①定量的に性能又は効能が異なること
※性能や効能が定量的に計測できる必要がある。
ここを必ず事業計画で明確に示す必要がある。単純に現在の業務延長上の新たな機械・最先端機械ということだけではないことがポイント。あくまで「新分野」が頭にあって、そこに新たな機械をいれるという考え方。
いつもは「新性能の機械」があって「新分野」を切り開く。似てるようで意味は異なるかもしれません。
その他の説明は添付資料をごらんください。
「事業再編」については「事業承継」案件について使えそうです。
ただし、その組織再編にさらに「その他の事業再構築要件」を示す必要があります。
(2)具体的な取組の内容
ア.事業概要
経営理念や事業所の状況を書く。
イ.内部資源
(ア)強み
現在までの具体的な取組みなどを含んだ「強み」について記載する。
①ヒト(マン)
②モノ(マテリアル・マシーン)
③カネ
☑事業化点①:財務状況は適正か?自己資本比率等の安全性の指標で示す。
④情報
⑤手法(メソッド)
※製造業である場合は(カッコ)も検討してください。
(イ)弱み
新型コロナウィルス感染症の影響によって足りないものを記載する。
ポイント:「事業再構築で獲得する必要性」を明確に示す。具体的に書かない。
ウ.外部環境(機会と脅威)
(ア)平時の機会と脅威
①全国や世界規模の状況
業種別審査辞典の活用等で一般的な状況の整理をする
②商圏競合の状況
ここは事業者自身が把握している商圏の整理をする
(イ)新型コロナウィルス感染症による機会と脅威
①売上減少状況を示す
※グラフなどを活用する予定。ここは「条件」を目視で満たしていることを示す。
②落としどころ
ポイント:「事業再構築が必要である」ここを明確にここで示す。具体的に書かない。
☑再構築点②:既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウィルス感染症で深刻な被害が生じており、事業再構築を行うものであるか?
エ.事業再構築の必要性
(ア)課題の抽出
☑事業化点③:補助事業の課題が明確になっているか?
①内部資源による課題
経営資源別(ヒト・モノ・カネ・情報)による課題。
②外部環境による課題
⇒これらを複合させた課題。
⇒事業再構築が必要である。
(イ)具体的な取組について
☑再構築点③:市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、経営資源の最適化を図る取り組みか?
☑事業化点③:課題解決方法が明確で妥当か?
Ⅰ.ターゲット
■前提と結び:市場の新規性について示す
★明確に「新分野展開」、「業態転換」、「事業再編」などを示す。
★代替性が低いこと。
★相乗効果が得られること。
(具体的な掘り下げ)
☑事業化点②:競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するおっともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か?市場ニーズのううを検証できているか?
①S(セグメンテーション)
■企業ドメインを基にした領域展開
⇒事業再構築では、これ自体の領域展開が拡大もしくは変更となる可能性
②T(ターゲティング)
■事業ドメイン分野:分野の選択
※ジオグラフィック分析
※デモグラフィック分析
※サイコグラフィック分析
③P(ポジショニング)
■自分自身の立ち位置を決定する
⇒あまりにもニッチな部分ではだめだし、差別化にならない配置もだめ
また、あまりにも未来すぎることもおすすめしない
※PPMやポジショニングマップを使用しても良いかも。
【掘り下げ】※書かなくても良い
1.PPMならキャッシュフローと未来予測
2.ポジショニングなら新分野の配置がわかる
※もちろん、その他のフレームワークも適用してみる。
Ⅱ.事業再構築による新規事業
■他社及び既存事業と差別化し競争力強化が実現できるか?
(Ⅰ)新事業の内容
☑再構築点①:事業再構築指針に沿った取組であるか?
:リスクの高い思い切った大胆な事業の再構築を行うものなのか?
☑再構築点④:新しいビジネスモデルの構築となり、地域のイノベーションに貢献しているか?
■方法・仕組み(4Pの活用)
①製品・サービス・設備・工事
★製造業への業態転換の場合の掘り下げ【QCD】
■品質
☑事業化点③:性能的に優位性や収益性を有しているか?
■コスト
■納期
⇒新規性はあるのか?独自性はあるのか?差別化優位性はあるのか?
②価格
高付加価値なのか?
☑事業化点③:価格的に優位性や収益性を有しているか?
③販路
今までの販路とどうちがうのか?
④販促
時代に沿った展開、インターネットを活用しているのか?その他独自性のあるか?
☑再構築点④:先端的なデジタル技術の活用をしているか?
■実施体制
☑事業化点①:事業実施のための体制が構築されているか?
また金融機関等からの資金調達が見込めるか。
①連携
組織再編の場合は、経営資源(ヒトモノカネ情報)について記載。
②事業再編の場合
従業員への適切な配慮の取り組み
■スケジューリング
☑事業化点③:遂行方法及びスケジュールが妥当か。
※月間計画:補助事業期間のスケジュールであり、将来の展望に係る年間計画ではない。
(Ⅱ)補助事業の実効性(効果)の検討
★事業再構築が課題解決に結びつく実効性のあるものなのか?
■定性的な効果
①ヒト
②モノ
③カネ
④情報
⑤その他・連携
これらを解決でき、且つ「未来に続く経営基盤の強化」に繋がっているか?
⇒新型コロナウィルス感染症を一過性のものととらえない継続性のある事業か?
⇒地域や社会のためになる事業か、企業の社会的責任(CSR)を満たしているか?
※特に昨今は「BCPの観点」は重要。
■定量効果の積算
※会社全体の計画ではなく、補助事業のみの定量予測を記載
※当初計画のみで良い。(軌道に乗った数値を書く必要はない)
⇒将来の展望の事業化見込みで記入。その後の数値は言及するため。
①商品の算定:客数×客単価(案件×単価)・最低部門で積算すること。
②営業利益の算定:当初計画のみ(1年程度)
③投資効果の算定(1年程度)
手法①:回収期間法:ベター(おすすめ)
手法②:正味現在価値法(NPV):ベスト(時間がかかるかも)
※投資金額の算定。イニシャルコストおよびランニングコストで検討する。
※営業利益算定ベースに税率を予測して算定していく。
※融資による利率を期待収益率として算定していく。
2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
※ここって、「1」との区別どうするの?って悩む方いると思うのですが、私の考えは「1」が補助計画による課題解決。「2」は「1」を得ることによって企業基盤がどのようになっていくか?の事業計画になるというイメージです。
(1) 経営方針(5年~10年)
ア.目指すべき企業像
○○の企業を目指す!(画像があればなおよし)
イ.「概要」を示す。
①誰に?②何を?③どのように?④効果は?
(2)補助事業が寄与すると想定する具体的な内容
☑事業化点④:現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取り組みとなっているか?
ア.顧客
「補助事業の成果によって」派生する今後5年から10年の顧客層
※シナジーになっているか?
イ.マーケット及び市場規模
「補助事業の成果によって」派生する今後5年から10年の市場規模
※補助計画で立案した「ポジショニングマップ」や「PPM」を活用。
最初の図表に新たな項目等を追加する。
ウ.成果の優位性
※ここは基本的に1で得られた内容を事業基盤の視点から、どういう役割をするかに言及。
⇒「1」で得た○○の成果によって○○の価格的な優位性を得る。みたいな。
Ⅰ.価格的な優位性
高付加価値か?
Ⅱ.性能的な優位性
差別化戦略か?
Ⅲ.収益性
ここは1で述べた数値の活用。企業全体は別添の収益計画で示す。
エ.課題やリスク
※経営資源の観点から「新たに想定される」課題やリスクを記載。
Ⅰ.ヒト
Ⅱ.モノ(マテリアル・マシーン含む)
Ⅲ.カネ(資金繰りなど)
ⅳ.情報(無形のもの・IT化など)
Ⅴ.その他(連携など・ひとりよがりになっていないか?・災害対策は?)
(3)本事業の成果の事業見込み(効果想定)
ア.事業化をした「あるべき姿」を端的に図などで示す。言葉でも良い。
目標となる時期は○○であり、売上規模は○○、量産化時(軌道にのった場合)の製品やサービスの価格について言及する。ここは、1で述べた内容を感けるにまとめるといいかもしれません。
いつまでに、どのような商品やサービスを実施し、売上規模を当初計画○○とし、軌道に乗る○○年後には○○の効果を得る。
※簡潔に示せという条件あり。できる限り図表で示す。
★例:切り口1:コアコンピタンス(強みを強化できている唯一無二のものになっているか?)
★例:切り口2:補助事業で実施した成果は既存経営資源とのシナジー(相乗効果)があるか?
⇒「範囲の経済概念」・中小企業ならではの「規模の経済」ではなく、図表示すとベター。
イ.数値表現:最低5年の事業化数値
※「補助事業計画1」では「事業導入時の効果」を示し、ここでは軌道に乗った場合の数値。
※具体的には売上から営業利益ベース。商品レベルの積算ではない。
ウ.投資効果の算定(最低5年)
☑事業化点④:費用対効果が高いか?
手法①:回収期間法:ベター(おすすめ)
手法②:正味現在価値法(NPV):ベスト(時間がかかるかも)
※投資金額の算定。イニシャルコストおよびランニングコストで検討する。
※営業利益算定ベースに税率を予測して算定していく。
※融資による利率を期待収益率として算定していく。
ちなみに私なら「1」を5枚程度。「2」を3~5枚程度。で検討します。15枚以内であることは注意ですが、端的にわかりやすく。ページが少なくなる方がベスト。
また、「政策点」については全部を満たすのではなく、1つでも政策的な観点が入っている必要がある。
以下の③と④が点数となる企業が多いと考えている。
① 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
② 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えてV字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
③ ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
④ 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。
⑤ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
なお、事業再構築補助金の「実行編」は「2次試験対策」の事例研究で実施予定です。よろしくお願いします。